2014年11月14日金曜日

ベトナム航空の機内食は、うわさ通りうまかった【後編】

(→前編から続く)

提供:フクシ

機内食がうまいらしい」という評判を聞き、期待を胸に乗ってみたベトナム航空。ベトナム経由で成田と東南アジア各国を結ぶルートで、往復4便を利用し、4回の機内食を食べることができた

前編では、ベトナム航空に乗ることになった経緯と、往路2便の機内食を紹介した。引き続き、後編で復路について紹介したい。


[3]VN658便(シンガポール→ホーチミン市)


復路の2便に関しては、ともに深夜・早朝だったためあまり写真を撮っていない。前編は写真が豊富だったので竜頭蛇尾の感が拭えないが、ご容赦願いたい。

さて、これが復路VN658便の機内食だ。シンガポール時間で20時半ごろにチャンギ国際空港を発ち、しばらくして提供された。メインの魚料理春雨サラダフルーツ、そしてパンという組み合わせ。

メインは、魚のフライとエビに、醤油っぽいタレがかかっている。そこに焼きそばと野菜が添えてある。この焼きそばはシンガポールやマレーシアで言うところのChar kway teow(炒粿条)的なやつだが、もしかしたらベトナム料理なのかもしれない(というか、東南アジア各地の麺料理はいずれも華人が持ち込んで土着化したものなので、国ごとの差異はそんなにないらしい)。

春雨のサラダには、レモンが添えてある。レモン好きかつ酸っぱい系サラダ好きの僕としてはありがたいが、前半のVN311便で食ったサラダがうますぎて、その影に隠れて今回のサラダは印象が薄かった。

ちなみに、飲み物に2人でビールをそれぞれ頼んだら、HalidaとBia Ha Noiが1本ずつ出てきた。僕は往路ですでにHalidaを味わっていたので、Bia Ha Noiにした。


[4]VN300便(ホーチミン市→成田)


いよいよ、この旅で最後の機内食。VN300便は、午前8時に成田に着く夜行便だ。朝6時ごろ、配膳のため叩き起こされると、窓の外はすでに明るい。飛行機は九州のあたりに差しかかっている。

機内食は、メインのシチューとごはんヨーグルトパンフルーツだ。朝食だからかボリュームがやや少なく、料理らしい料理はメインしかない。

メインは、一見するとカレーのようにも見えるが、そうではない。「ボーコー」という、ベトナム料理のビーフシチューらしい。

ベトナムはかつてフランスの植民地だったこともあり、食文化にもフランスの影響がみられる。このボーコーはその好例ではないだろうか(もちろん、ビーフシチュー系の料理はフランスに限らずヨーロッパ各地にあるが)。しかも、同じくビーフシチューがアジアにおいて土着化した例である日本の肉じゃがと比べても、ボーコーはビーフシチューとしての原型をかなり留めているように思う。日本でこれに近いのはハヤシライスか。

ちなみに味はというと…眠かったこともあって、あまり印象に残っていない。


ちなみに、僕は前述の洋食メニューを選んだのだが、同行者は和食メニューにしていたので、こちらも撮らせてもらった。メインは鯖の塩焼き、煮物、ごはん。そして、紅白なます&柴漬けチンゲンサイ&かにかまパン、フルーツ。一品一品が質素だが、品数はこちらのほうが多い。

日本に就航している多くの航空会社において、エコノミークラスの機内食では洋食を選ぼうと日本食を選ぼうと容赦なくパンがついてくる。それゆえ、日本食のおかず+ごはん+パンという組み合わせはなんとなく避けたくて、僕の場合、いつも無条件で洋食を選んでしまうのだ。しかし、このときばかりは、東南アジア旅行の最後で日本食が少しばかり恋しくなっていたことに加え、洋食との品数の格差を目の当たりにして、日本食を選ばなかったことを少し後悔した。

でも、いまこれを書きながら思ったのは、話のネタ(というかブログのネタ)としては鯖の塩焼きよりボーコーのほうが優れていたっぽいし、まあいいや。


[番外編]ハノイの空港で食べたフォー

提供:フクシ
話はまた往路に戻る。ハノイでVN311便からVN613便への乗り継ぎ待ちが3時間ほどあった。 暇だったので、何か食べてみることにした。

空港ターミナル内は首都の国際空港にしてはこぢんまりとしていて、店もそんなにたくさんあるわけではない。しかし、2階にいくつか飲食店が3〜4店舗あり、軽食を取ることができる。バーガーキングもあったが、もちろんここに用はない。

提供:フクシ
ちなみに、これらの店での支払いはすべて米ドル。いくら史上初めて戦争でアメリカを打ち負かした国とはいえ、やはりベトナム・ドンの信用力を考えると空港利用者にはなるべく外貨を落としていってほしいのだろうか。


そこで食ったのがこのフォー。5ドルである。きっと娑婆で食うのの何倍もするのだろうが、空港から出るわけにいかないのだから仕方ない。フォーのどんぶりに、お好みで加える香草やモヤシやライムの皿、そして調味料の小皿がついてくる。


これはうまい。スープは牛肉のダシがよく効いている。平麺のフォーなので、このスープがよく絡む。そして香草がまた食欲をそそる。モヤシは生だが、熱々のスープに沈めると適度に加熱されてシャキシャキになる。ライムもたっぷりあり、これをしっかり絞ってよく混ぜれば、あらたな味覚の境地が開ける。

機内食だと、多少ベトナムっぽいものは出てくるにしても汁物は出てこないだろうから、まあ空港でこれを食っておいたのは正解だったんじゃないかなーと思っている。


■ 結論

われわれ貧乏旅行者にとって、いまや東南アジア方面へのアクセス手段として真っ先に検討対象となるのはエアアジアをはじめとしたLCCだろう。しかし、ベトナム航空を利用すれば往復4万円で東南アジアへ行って帰ってくることができるのである。しかも、ベトナムでの乗り継ぎの手間はあるとはいえ、乗り継ぎがあるおかげで合計4回も機内食にありつくことができる。しかも、今回見たように、ベトナム航空の機内食はうわさ通りうまい。そう考えると、機内食もない、マイルもつかない、欠航した際のフォローも望めないLCCを利用するより、ベトナム航空を利用したほうがはるかに得なのではないだろうか。